JSAI2019に参加してきました

こんにちは、株式会社バンクのデータ解析チームです。 6/4(火)~6/7(金)に新潟で開催された「2019年度人工知能学会全国大会(JSAI2019)」に参加してきたので、そのレポートをお届けします! 今回はチームから3人参加したのでそれぞれの印象に残った発表をそれぞれ簡単に紹介していきます。

人工知能学会(JSAI)の紹介・参加経緯

人工知能学会(JSAI)は1年に1度、6月に行われる人工知能技術に関する発表を行う学会で、毎年違う県で開催されます。今回は第33回目で新潟県新潟市朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター)で行われました。今年の参加者は3000人近くと年々増加しており、人工知能技術への関心の高まりを感じます。

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データ解析チームは自社サービスである「CASH」や「TRAVEL Now」のデータと日々向き合っています。今どんな研究がなされているか、他社でどのような取り組みが行われているか、といった発表の聴講を通して、プロダクトへ反映できそうな新たな技術・知見を得るために参加しよう、ということになりました。

発表レポート

それではデータ解析チームのメンバーがそれぞれ印象に残ったと感じた発表を簡単に紹介していきます。 (説明に用いた図はそれぞれの講演PDFより引用しております)

視線データを活用した深層学習による胸部X線写真の診断的分類*1

局所画像を追加入力とする深層学習による自動診断モデルの研究でした。 自動診断を行う研究は以前にもありましたが、こちらの研究では写真全体の画像に加えて 「診断時に医師が凝視している領域」の画像も入力として与えることができるモデルとなっていました。

「全体を俯瞰した後に局所部分に注目する」という、より実世界での人間の動きを再現できるようなモデルを再現して医師の知見をモデルに反映して診断精度を向上させているのが印象的でした。

CASHでも熟練の査定員が凝視している領域の画像データセットを作成し、査定員の集合知のようなモデルを構築することで自動真贋査定システムにも応用できるような発見のある発表でした。

機械学習を用いた地域間の仮想通貨フローの可視化*2

Bitcoinユーザーの地域推定モデル構築の研究です。 Bitcoinの特徴として匿名性が挙げられますが、ユーザーやBitcoinの流れを追跡することは不可能ではありません。 こちらの研究では、Bitcointalk.orgの投稿データとBitcoinトランザクションデータのパターンの類似性を利用してユーザーの地域推定を行っています。 本研究では構築したモデルを用いて匿名性を持っているBitcoin市場であっても物理的距離の近いユーザー同士が主に取引していることを明らかにしましたが、これは取引所やサービス系会社がハブの役割をしており、このハブの活動パターンは地域的特徴を強く持っているためでした。 Bitcoinは基本的にどの仮想通過取引所でも扱っているのでこのようなパターンが見られますが、アルトコインはまた違った動きをするのであろうと思われます。

深層学習を用いた不動産間取り図のグラフ化と物件検索への応用*3

物件検索サイトの間取り図を用いて間取り構造のグラフ化を行い、その応用として類似物件の検索に役立てるという研究です。各部屋や階段などとの具体的な隣接関係(ここでの隣接は、単に隣り合わせではなく行き来可能であることを意味する)をグラフ化することで、単に見かけが似ているかどうかではなく、より住居での現実行動に即した類似性を見出せるというものです。 類似度としてグラフ間のMCS(Maximum Common Subgraph)をみていますが、簡単な間取りだとスコアが一致する例も少なくないように見え、別の類似度手法やメタ条件と組み合わせるとよりよい類似度の計算が行えそうな気がしました。 実際に行き来できるかの制約条件がどのくらい検索のユーザ体験に寄与できるかは不明ですが、個人的には痒いところに手の届く改善に繋げられそうでビジネス的な価値のある研究に思えます。 338d908b.png (856.2 kB)

まとめ

以上、簡単ですが人工知能学会2019の参加報告をさせていただきました。

昨年鹿児島で開催された人工知能学会にも聴講参加させていただきましたが、AI技術の最先端に触れられることや参加されている他の企業の方や学生の皆様と議論ができる大変貴重な場だと思っております。

まだまだ少人数で未熟なチームではありますが、今後ともサービスをより便利に使いやすくするために取り組んでいきます。会場等で私達を見かけたら是非お声がけください。

References

*1: 井上 大輝, 木村 仁星, 中山 浩太郎 et al. “視線データを活用した深層学習による胸部 X 線写真の診断的分類“. 第33回人工知能学会全国大会, 2019. (https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsai2019/1H3-J-13-02/public/pdf?type=in 2019/6/10確認)

*2: 全 珠美,水野 貴之. "機械学習を用いた地域間の仮想通貨フローの可視化". 第33回人工知能学会全国大会, 2019. (https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsai2019/1P2-J-13-03/public/pdf?type=in 2019/6/10確認)

*3: 山田 万太郎, 汪 雪婷, 山崎 俊彦, 相澤 清晴. “深層学習を用いた不動産間取り図のグラフ化と物件検索への応用“. 第33回人工知能学会全国大会, 2019. (https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsai2019/3N4-J-10-03/public/pdf?type=in 2019/6/10確認)

社内で開発したAI技術を全社員に知ってもらうために

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こんにちは。 株式会社バンクのデータ解析チームの齋藤 (id:tstomoki) です。

バンクにおけるデータ解析チームとは

まず、「データ解析チーム」って何をしているのかという話ですが、 基本的にバンクのプロダクト全てに関して下記を行っております。

  • 様々な判断や意思決定をデータや数値を使ってサポート
  • 課題に対してのデータ分析と問題解決のための予測モデルを構築, etc.

大企業におけるAIチームとBIチームとインフラチームなどで分担しているような業務を全てまとめて行っているのがこのデータ解析チームです。

※ Artificial Intelligence: 機械学習技術を用いたサービス改善
※ Business Intelligence: データ分析の結果を用いた意思決定のサポート

これまでどんなものを作ってきたのか

そんなデータ解析チームでは CASHTRAVEL Now で使用できるように、機械学習モデルを解析APIとして作成しています。

また、プレスリリースにもあるように、NVIDIA Inceptionプログラムの日本パートナーにも認定していただき、オンプレミスなGPU環境などを使用して、CASHの商品画像やサービスのユーザ情報を入力とした大規模なネットワークモデルなどの構築を行えるようになりました。

prtimes.jp

例えばその中の1つとして、「ブランドタグ分類API」というAPIがあります。

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CASHでは、一部のブランドについてはアイテム全体の写真に加えてこちらのようなタグの写真も送ってもらえるような仕組みになっています。

※ 本ブログ内のアイテム画像は社内で撮影

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このようなブランドタグの写真を入力に

画像のブランドタグが申請通りのブランドなのか

というような推定を行い、未然に虚偽申請を防ぐことでアイテムの査定などに活かしています。

社内でプロダクトを知ってもらうために

先日、弊社代表の光本がTwitterでもつぶやきましたが、これまでにデータ解析チームが作成し・サービス導入したAPIもかなり多くなってきております。

このようなAPIは、サービスでの問題ベースで開発が進められることが多いです。 ですが、学会等で発表された最新技術をベースに「なんとなく使えそうだな」というようにテクノロジードリブンでAPIの開発が行われる場合があります。

そのようなAPIは、我々からサービス側に働きかけないとAPIが存在することすら認知されないので、先述のツイートにもあったようにAPI一覧ページを全社に公開して呼びかけています。

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また、一覧から対象のAPIを選択すると以下のように実際のレスポンスも確認することができるため、手軽にテストしてもらうことで、サービス導入のアイディアなどを膨らませてもらうこともできます。

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実際にアプリ側のエンジニアに導入を依頼する際にも、(もちろんAPI仕様書等は作成しますが)こちらのページを参照することで、説明もしやすくなるのでおすすめです。

まとめ

今回はデータ解析チームから初の投稿ということで、

  • データ解析チームがどのようなチームなのか
  • 社内でどのような工夫をしているのか

について記載させていただきました。

まだまだ少人数で未熟なチームではありますが、今後ともサービスをより便利に使いやすくするために取り組んでいきます。

bank.co.jp

次回はデータ解析チームのメンバーが2019年度 人工知能学会全国大会 (第33回)を聴講予定なのでそちらについての記事を書きたいと思っております。

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オフィスネットワークを刷新し、Cisco Merakiを導入しました。

オフィスの柱に設置されたMeraki AP

今回する話

みなさんこんにちは。株式会社バンクの うなすけ (id:yu_suke1994 )と id:HolyGrail です。 先日、オフィスのネットワークを刷新し、Cisco Merakiを導入しました。

今回は

  • オフィス人数と社内ネットワークの変遷
  • 機材とサービス選定の話
  • 自前でセットアップを行った話

について弊社における事例を紹介いたします。

オフィス人数と社内ネットワークの変遷

さて、我々のようなベンチャー企業だと、創業期は家庭用のWi-Fiルーターでも業務が滞りなく行えます。しかし、10人、20人と従業員が増えるにつれ、家庭用のWi-Fiルーターから、SOHOや業務用のルーターや無線アクセスポイント(以下、無線AP)を導入しないとインターネットが詰まったり、色々な問題が発生します。 そして、人員の増加に伴う移転のタイミングで専門の業者に社内ネットワーク環境の構築を依頼するというケースが多いかと思われます。

弊社の場合

弊社は、現住所に移転するタイミングで無線APを3つに増設しました。業者に構築もお願いし、従業員と来訪者とでSSIDの分割とVLANへの収容、VLAN間での通信の遮断などの基本的なネットワークの設定を行いました。

しかし、ワイヤレスLANコントローラの導入には至らず、各自が自席から一番近い無線APのSSIDを選択して接続するという、前時代的な運用を要求せざるを得ない状態が長く続いてしまいました。 また、無線APのスペックがよくないのか、20端末程度がぶらさがるだけで顕著な通信速度の低下や無線APからの切断が発生し、不満の声も多く挙がりました。

不満の声
不満の声

そこで、ある程度の規模の会社に所属している友人らに相談し、社内ネットワーク刷新に向けて業者や機器選定をすることになりました。

機材とサービス選定の話

さて、今回の刷新にあたり弊社では「Cisco Meraki」と「Mist」を比較検討する流れとなりました。

Cisco Meraki

meraki.cisco.com

Cisco Meraki(以降Meraki)は、前述のワイヤレスLANコントローラーなどの管理機器を全てクラウド上に置き、SSIDの設定、サイトフィルタリングから周波数設定までのあらゆる設定をWebブラウザ上で行うことのできる、クラウド管理型ネットワークシステムです。日本国内でも、検索するといくつもの導入事例が見つかります。

Mist

www.mist.com

Mistは上記Merakiの特徴に加えて仮想ビーコンによって得た位置情報などを元に、機械学習技術によって更なる運用の簡素化を目指すクラウド管理型ネットワークシステムです。

選ばれたのはMerakiでした

比較検証するにあたって、MerakiとMist、どちらも検証端末を借りて社内で試用してみました。

そして比較検討した結果

  • 社内でも環境設定等を行うにあたり日本語のUIが用意されている
  • 国内での採用実績がすでに多くあり、Cisco Merakiの担当者とも直接やりとりができる状態にある
  • スイッチ、ルータなどのレイヤーまで含めてMerakiクラウドシステム上で管理を行うことができる

といった点から今回はMerakiを採用するに至りました。

自前でセットアップを行った話

さて、機器とサービスの選定が完了し、いざベンダーに依頼をというところであるニュースが流れてきます。

thebridge.jp

そう、DMMからのMBOです。なので、今後は自己資本で会社を運営していかなければなりません。となると、無駄なコストはできるだけ削減する必要があります。 そこで、ベンダーからはネットワーク機器の購入のみ行い、施工と設定については自分達で行うことになりました。

設置の様子

というわけで、MerakiのSwitchとAPがオフィスに届いたので、設置、そして設定を行いました。

オフィスに届いたCisco MerakiのスイッチとAP
オフィスに届いたCisco MerakiのスイッチとAP

オフィスの柱に設置されたMeraki AP
オフィスの柱に設置されたMeraki AP

結果

Merakiの導入によって、社内のSSIDが統一され、社員に快適なインターネット環境を提供することができるようになりました。

また、Wi-Fiが使えるというだけではなく、実はMerakiAPIを公開しているので、これで色々と遊ぶこともできそうです。

documentation.meraki.com

Merakiのネットワークに接続してみたい方(?)、是非オフィスに遊びに来てください。

bank.co.jp

追記

4/24 19時

脚立について、推奨されていない使用方法をしている画像を削除しました。脚立の安全な使い方については、以下をご覧ください。ご指摘いただきありがとうございます。

脚立の安全な使い方 | 製品の安全な使い方 | サポート | 梯子、脚立のパイオニア 長谷川工業株式会社

4/25 14時

一部、本文を修正しました。

RubyKaigi 2019に弊社から2人が業務扱いで参加してきました

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4/18から4/20にかけて福岡国際会議場で開催されたRubyKaigi 2019に、弊社からは私 id:yu_suke1994id:HolyGrail の2名が業務扱いとして参加してきました。

rubykaigi.org

興味深いトーク

今回のRubyKaigiでは、Ruby 3に向けての進捗報告があったり、Kaigi終了後ではありますがSVNからgitへの移行が完了したりと、色々と今後のRubyが楽しくなりそうなトピックがcore teamから共有されました。

また毎度おなじみ "Ruby Committers vs the World" では、スクリーンに写されたhackmdの画面に皆さんが思い思いのアイデアを書いていく様が見ていてとても面白かったです。

他にも聞きたい発表ばかりでしたが、肉体は一つしかないのでした。動画の公開を首を長くして待つことにします。

福岡はいいところ

今回のRubyKaigiは福岡で行われましたが、福岡は美味しいグルメがたくさんあることで有名です。開催までに、様々なブログで「ここは行っておけ」スポットの紹介がされていたのは記憶に新しいかと思います。

magazine.rubyist.net

弊社でも、福岡出身の社員からオススメのご飯情報を事前に共有してもらい、滞在中は毎晩舌鼓を打って過ごすことができました。

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Conference week in Fukuoka

ところで、実はRubyKaigi 2019の前にはCloudNative Days Fukuoka 2019も開催されていました。 id:yu_suke1994 はこのイベントにも業務扱いとして、弊社からの支援を受け参加してきました。

cloudnativedays.jp

弊社では、マネージドKubernetes基盤の上でRailsアプリケーションを開発・運用しています。なので、Cloud Native界隈にも積極的に参加していきたいという想いがあります。

来年は松本開催

そしてRubyKaigi最終日には、次回は長野県松本市で開催されることが発表されました。もちろん私達はもう参加する意気込み十分な状態です。

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来年の松本でまたお会いしましょう!

WE ARE HIRING!

私達は一緒にRubyKaigiに参加したい、というメンバーを募集しています!!

bank.co.jp

Japan Container Days v18.12 参加レポート

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12月3日から5日にかけて、Japan Container Days v18.12が開催されました。弊社からは、業務扱いで id:yu_suke1994id:fujikawa-y の2名が参加しました。今回はその参加レポートになります。

多くのセッションに参加しましたが、その全てに言及するととんでもなく長い記事になってしまいそうなので、印象深かったセッションに絞って感想を書いていこうと思います。

keynote

keynoteでは、複数の企業におけるKubernetesの役割などについて話されました。

CNCFのChris Aniszczyk氏からは、CNCFの目指す地点、今後のロードマップなどについての話がありました。Serverlessだけではなく、Nodelessへの流れ、KubernetesをIoTやedge computingの世界まで広げたいという野望、kubeletそのものを仮想化するvirtual-kubeletの紹介などがありました。

github.com

またCNCFで定義している各プロジェクトの成熟度合いも確認することができるようです。

Projects - Cloud Native Computing Foundation

1年間の本番運用でわかったコンテナがチーム開発にもたらしてくれたもの


本番環境でコンテナを使うという事例を話されていました。

そもそもなぜコンテナ化をするのか?というところから言及されており

  • 開発環境を快適にしたい
  • 開発環境と本番の乖離をなくしてサイクルを早くしたい

これに尽きるのは納得の行く話でした。

そして、途中で口頭であった 心理的安全性を保つためにコンテナ化 というのが印象深かったです。

40 topic of Kubernetes in 40 minutes


マイクロソフトの寺田さんによる、40分でKubernetesにおけるトピックを40紹介する、という駆け足の発表では、 $ kubectl explain というコマンドの存在に衝撃を受けました。今までは https://kubernetes.io/docs/reference/#api-reference を見ながらYAMLを書いていたのですが、このコマンドがあればわざわざブラウザを使わずともYAMLにどのようなリソースの定義を記述できるのかがわかるので便利だと思いました。

1人でできるDocker/Kubernetes(GKE)を使った新規サービス立ち上げ


DeNAの新規サービス立ち上げにDocker/Kubernetesを使われた話が聞けるということで聞きに行きました。

最初からRailsで行くことのとチャレンジングなところでコンテナを使うという話があり 少人数でサービスを作るノウハウと過去の開発で課題だったことが印象深かったです。

また、サーバー側とインフラ側で担うところも明示的に示しておりとても参考となりました。

2020年のコンテナはどうなる!? コンテナプラットフォームのこれまでとこれから

コンテナ界隈の人たちを呼びこれからどうなっていくかを話されていまいした。 いくつかの議題があり、それに対するコメントのうち印象に残ったものを抜粋して記載します。

  • コンテナ技術浸透した?
    • 浸透したと思う理由
      • 来場者のアンケート回答結果の9割が使っているというのがあり、自分で調べられる状況にある
      • 普及はしているが、本番はこれからという印象
    • コンシューマ向けサービスの開発はβ版でも使っている
      • 開発、CICDもやっているが本番はやはりまだ少ない
    • 浸透したと思えない理由
      • 詳しい人とまったく詳しくない人の二極化が目立っている
      • 使えるけど、メリットに繋げられない人も多く感じている
      • エンタープライズには話が通じないのが現状
      • さらに概念を理解せずに使っている印象がある
    • どこがネック?
      • コンテナをコンテナらしく使うことが今後の課題
      • コンテナを使うからこその付加価値が必要
    • コンテナは何が動くのか?ということもありまた、マイクロサービスの定義にも繋がってくる
      • マイクロサービスは組織の問題も関わってくる
      • アプリケーションレイヤーのI/Fだけ連携する
        • その中の話はチームに権限委譲して自律的にやってもらうのが良い
    • システムを組織に合わせるのが今の日本の組織。
    • Webサービスなら導入できるが、エンタープライズはハードルが高く慎重である
    • 本番導入済のところはマネージドサービス使われているのが前提であって、自前で動かしている人は考えることが多すぎて本番に導入できないのではないか?というところがある
  • k8sデファクトスタンダードになっているが差別化は?
    • k8sの導入、運用、カスタムができるという差別化となる
    • k8sの全部の機能いります?という疑問に行き着くところもあり、他のやつを使った方が良い場合もある
    • 更に言うとコンテナ使えるだけいいのでは?ということも言える
    • Runcherもk8sとの差別化を意識しつつ使う人が幸せになるようにしたい
    • k8sの良さは拡張性があること
    • k8sのデプロイとバージョンアップが大変
      • また初期の学習コストが高くアプリデベロッパーへどう浸透させていくのか?が課題。
  • 今後追うべき技術は?
    • Knative
    • サービスメッシュが来る。Istioがきて成熟期になる
    • イベント情報をキャッチアップすることが大事
    • CoreOSも追うべきもので、それも含めて運用を楽にするためのもの
    • AIのKubeflowでデータパイプラインが必須な部分なのでこれも追う

Cloud Nativeプロダクト1000本ノック

CNCF Landscapeには、CNCFでないプロダクトも含め、600を超えるプロダクトが掲載されています。

landscape.cncf.io

このセッションでは、データストア、CI/CDなどのトピックに分けて主要なCNCFプロダクトの紹介が行なわれました。辛うじて名前だけ聞いたことがあったりするものや、初耳なプロダクトも結構あって、こんなの追い切れないだろう……と思いました。だからこそ、コミュニティとして活動し、様々な検証を持ちよって情報を共有し合うことが重要になるのですね。

また、Cloud Native Trail Mapを見るとわかるのですが、コンテナ化、Kubernetesによるオーケストレーションは "Cloud Native" という観点ではまだ入口に過ぎず、そこで満足していてはいけないのだなということも感じされられます。(プロダクトの規模にもよるとは思いますが……)

また、このセッションで知ったのですが、Spinnakerがpipelineをコードで管理できるようになっていたのには驚きました。それまではGUIによるpipeline定義しかできず、.circleci/config.yml のようにコード化できないのはちょっと、なーと思っていたところなので、導入に向けて前向きになれますね。

blog.spinnaker.io

pipelineの定義については、イベントでデモとして提供されていたshowKs( https://showks.containerdays.jp/ )で実際に使用されているものがGitHubで公開されています。

github.com

runcだけじゃない コンテナlow level runtime徹底比較


皆さんはコンテナのruntimeを意識してDockerを使っていますか?僕は全く意識していません。

Dockerは、コンテナのruntimeとして、デフォルトでruncというものを使用します。このruntimeは実は様々な特性のあるものが公開されているのですが、よっぽどのことがない限りはruncから変更することはないでしょう。

このセッションでは、そんな様々なruntimeの紹介と、それに対してのベンチマークを行い、その結果や選択の指針についての発表が行われました。 紹介されるruntimeはどれも特色にあふれ、技術的好奇心を刺激されはするのですが、じゃあproduction環境で使いますか、となるとそこまでのメリットは感じられない、と言うか一般的なユースケースにおいてrunc以外をあえて使うことって無いよな……と感じました。Nabla containersとか、うおお何じゃそれ! とはなるんですけどね……

とある30秒でできるKubernetes + GPU 開発環境


Canonicalの方による、 https://microk8s.io/ の紹介LTがありました。microk8sは初耳でしたがsnap packageになっており、Ubuntuユーザーの僕としては何ならMinikubeより導入が楽なのでは?という気さえしました。会場にいた方のなかには、「Minikubeはなにやってるかわからなくて若干ブラックボックス感があるのでmicrok8sのほうが好きだ」と言う意見もあり、ローカルでもKubernetesで開発する際にはぜひ使ってみたいと思いました。

CRIUの概要とその活用 - 未来のコンテナ技術について


GMOペパボにて、mrubyによるコンテナランタイムhaconiwaを開発していらしゃるうづらさんの発表でした。今回はhaconiwaの話ではなく、CRIUの話でした。

皆さん、 $ docker checkpoint というコマンドをご存知でしたか?僕はこの発表で初めて知りました。CRIUは、checkpoint/restore という機能を実現するためのツールです。利用することで、あるプロセスのその時点でのsnapshotを取得でき、その情報からプロセスの状態を復元することができる、ということが可能になります。

デモでは、whileループでカウントアップしていく変数の状態が、$ docker checkpoin crerate$ docker start --checkpoint の前後で保持されていることが確認できました。

docker v18以降では、checkpointはうまく動かないようですが、これが安定して動作するのであれば夢が広がりますね。例えば規模の大きなRailsアプリケーションは、起動に若干の時間がかかり、突発的なスケールには対応できません。これが、起動後の状態のcheckpointを作成しておき、それを展開することによって素早いスケールアウトができるようになったりするでしょう。

Runtime BoF

docs.google.com

ディスカッション形式でruntimeについて話すTechMeetingでは、第一線で活躍しているエンジニアの方々による、runtimeに限らない様々な議論について聞くことができました。 先程も書きましたが、結局runtimeをruncでないものにするメリットってあるんだっけ、という話から、コンテナイメージのセキュリティの担保、はたまた海外でのカンファレンスやOSS開発における英語問題など、本当に議題は様々でした。

コンテナイメージのセキュリティに関しては、とても考えさせられました。Docker Hubで個人が公開しているimageは使用しないというのは前提として、企業が公開しているimageであっても、それに悪意のあるコードが混入していないという保証はありません。imageに署名をするよりは、継続的なimageのスキャンのほうが重要である、という意見がありました。CNCFにも、そのようなことを行なってくれるClairというものがあります。またGCPにも、Container Analysisという機能があります。積極的に使っていきたいですね。

感想

非常に濃いイベントでした。便利そうなCloudNative productの情報であったり、Kubernetes運用の知見であったり、他の企業がどうしているのか、今後のCloudNativeの方向性、などなど……情報量で圧倒されました。今年は、聞くことのできなかったセッションのスライドを読んだりして、内容を噛みしめたり、書籍を読んだりして、今後のサービス開発に役立てられることがないか考えることにしようかと思います。

また、今年2回目となるJapan Container Daysですが、今回で最後となることが発表されています。ですが、CloudNative Daysと名前を変え、来年には東京だけでなく福岡や大阪でも開催されることが同時に発表されました。しかも福岡開催はRubyKaigi2019の直前ということで、僕は個人的にめちゃくちゃ盛り上がっています。

https://cloudnativedays.jp/

CloudNative、やっていきましょう。